HuReDee UTC(ベトナム)出張メモ(2024年6月17日~19日)


2024年6月17日~19日の日程でHuReDee正会員ハタコンサルタント、及び、取引先等の土木建築会社経営者の方がHuReDeeの提携先ハノイ交通運輸大学(UTC)を視察。
UTC土木工学学部の学部長・副学部長より同校での人材育成状況をヒアリングすると共に、HuReDee日本語クラス視察、HuReDeeクラス第5期生との面談、現地地下鉄工事現場の視察、ベトナム大林組のトレーニングセンター視察を行った。
参加企業は、創業150年、118年、112年とそれぞれ歴史があり、今後の20年~50年の企業継続に当たり、高度外国人材は不可欠との認識の下、今回の視察となったもの。皆さん、百聞は一見に如かずとの印象を持って頂いたようで、今後、HuReDee人材育成の為の情報提供等にて積極的に関与頂けるものと期待します。

■日本側の参加者(敬称略)
 1.降籏達生 : ハタコンサルタント株式会社 社長
 2.井木敏春 : 株式会社井木組 社長
 3.長田拓人 : 株式会社中村塗装店 常務取締役
 4.浅野聡志 : 株式会社山田商会(YS Design Vietnam‐Vice Director)/17日UTC会議に現地参加。
 5.Nguyen Van Hao: HuReDeeアドバイザー(通訳)

1. ハノイ交通運輸大学(UTC):6月17日 9:30~11:30

<出席者>
UTC: Ms. Bui Thi Giang, Deputy Director, International Cooperation and Development Studies
Mr. Le Xuan Quy (Dr), Ditto
Ms. Mai, Ditto
Assoc. Prof. Dr. Bui Tien Thanh, Dean of Faculty of Civil Engineering
Assoc. Prof. Dr. Nguyen Quang Tuan, Vice Dean of Faculty of Civil Engineering
・UTC土木工学部の学生数は700人/学年。(①橋梁・道路専攻-約600人、②水路・水利専攻、③都市工学、④インフラが、各50人程度)、建築学部は土木学部より分離し、現在の学生数は約600人/学年。ベトナムでもIT等に比較して人気の高い分野とは言えないが、学生数そのものは過去4年間で増加傾向。日本で学んだ先生が多数おり、日本との関係は多数あり。

・卒業生は、建設会社、設計事務所、役所にほとんどが就職。海外企業では、日本に加えて、韓国・フランス・豪州・台湾の企業への就職実績あり。

・日本を指向する学生は、①給与水準、②キャリアアップ、③留学(新しい技術習得)を目的としている。ただ、日本語習得が一番のハードルとなっている。

・日本に関心を持っている学生はいるが、日本企業に関する情報がほとんどないのが現状。今回の参加企業のように、100年企業の概要、先輩の成功例(資格取得)等々の情報提供が必要。また、アンケート等により、学生の関心・不安を確認した上で、それらに対応する情報の提供があれば効果的とのコメント。
UTCとの面談、赤い服の女性が国際協力部副代表Giangさん
その左隣がThanh土木工学学部長
UTC関係者との集合写真

2. HuReDeeクラス(UTC5)視察:6月17日 18:00~18:30

・UTC5の日本語授業を視察。約30名の学生がN5レベルの日本語を学習中。ドンドー日本語学校の教師と学生との活発な口述やり取りで授業は進められていた。
HuReDee日本語クラス

3.ベトナム工事現場の視察:6月18日 8:30~10:00

・UTC手配により、ハノイ地下鉄工事現場を視察。(UTC/Minh教授の手配&案内。国際協力部のQuy先生(仏にて土木博士取得)も同行。

・ハノイ地下鉄工事は韓国現代建設・イタリア会社・ベトナム会社の工事区間。建設許可取得の為に2年程遅延していたが、漸く、建設許可が取得出来、ボーリングマシンでの掘削準備中の現場を視察。

・現代建設担当者よりは軟弱地盤での工事の難しさ等々の説明があったが、漸く、工事が動き出すということで多くの現場作業員が働いていた。現代建設エンジニアとして日本人も一人(渡辺氏)働いているとの紹介を受け、ヒアリングを行った。
ベトナム地下鉄工事現場視察

4.UTC5 土木専攻学生との意見交換会: 6月18日 14:00~16:00

・UTC5 土木専攻学生5名と意見交換を実施。日本側よりの会社紹介、学生の自己紹介の後に、Q&Aを行った。(参加者が100年企業代表と聞いて、学生は企業概要に興味を持った模様。また、北海道の建設会社に内定決定した学生1名も参加。) 

・学生よりは日本企業での就業希望が表明されたが、いずれの参加者も受け答えも非常にしっかりしており、改めてベトナム高度人材(UTC人材)に興味が示された。一方、学生を更にひきつけるためには積極的な情報提供が必要との認識で一致した。(テキストでの情報提供に留まらず、ビデオでの情報提供等々の検討が必要との認識。)
UTC5土木専攻学生

5.大林ベトナム・トレーニングセンター視察: 6月19日10:00

・ハタコンサル・降籏社長の手配で大林ベトナムのトレーニングセンターを視察。UTC5土木専攻学生6名も同行。

・大林ベトナムではサービス・品質の向上、安全対策等々の目的で3年前よりトレーニングセンターを開設。全従業員を対象に年1回受講の頻度で同トレーニングセンターにおいてでトレーニング・研修を実施。研修開始後、退職者の数が減少し、施工実績も伸びている由。

・参加した学生も日本企業におけるトレーニング・研修体験は貴重なものとなった。また、土木分野でのカーボンニュートラル対策といった観点に触れたことは刺激になった模様。
大林ベトナム・トレーニングセンター視察‐UTC5土木専攻学生も同行